らーめん ・ 二郎系ラーメンの原価計算　

ラーメン店での独立開業に興味がある方向けに、
G系ラーメンなどの材料原価でも計算してみます。　
（ 二郎系ラーメンの作り方はこちら ）


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※　ラーメン店の１日の流れ　～　仕込みから営業、閉店作業まで。 意外と、大変です。

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＜　ガッツリ系　・　Ｊ系 ラーメンの材料原価　＞

普通のラーメン屋さんがＧ系ラーメンを作ったら、
だいたいこんな材料費になるのでは・・・　　という計算をします。
もちろん、安く仕入れができるお店はこれ以下の材料原価で作れると思いますし、
これより原価がかかっているお店もあると思います。 

　【　仕入れ　参考値　　※ 首都圏エリアで実際に確認した例です　】

※　外国産ゲンコツ　８０円　～　１５０円 （ キロ単価 ）
※　豚バラ肉　５５０円　～　８５０円
※　豚うで肉　３８０円　～　５５０円　　　　など
※　個別の 仕入値のリスト は ページ下部参照


 

上の写真は、

２０１２ ～ ２０１３年前後の、某 大型業務用スーパーの販売チラシ。

２０１３ ～ ２０１４年あたりになって、豚肉の仕入れ価格が上がったという話をたまに聞きますが、

２０１４年 ４月の段階では、
外国産の肩ロース、バラ肉 （冷凍） などは １ｋｇ ７００円弱 （税別） で売られているのは見ました。




＜　実際の計算の前に・・・　＞

材料原価だけを見て、「ラーメンの原価は安い、ラーメン屋は儲かる」とおっしゃる方がいますが、 営業時間外の仕込みや、実際の営業、様々な経費などを考えると、 決して、楽して儲かる商売ではない と思います。 飲食経験者の方なら、分かると思いますが。
飲食経験者の方の中には、仕込みに時間と手間がかかるにも関わらず、
客単価が低い 「 ラーメン店の経営 」 を嫌がる人もいますし、
他業種をやめてラーメン店の経営を始めた人が、あとで後悔している話も聞いたことがあります。
一部のお店のように大繁盛すれば、月収１００万円近くも夢ではないでしょうが、
そこに辿り着くまでの努力と根性、そして運は必要になると思います。

ラーメン店の営業時間は個人店であれば８時間前後のお店が多いと思いますが、
実際に働いている時間 はもっと長いですし、休みも少ないです。
場合によっては、定休日でも仕込みや、その他の仕事をしなければならないこともあります。

とりあえず個人的に思うことは・・・
材料原価だけを見て、「 ラーメン屋は儲かる 」と決めつけて、商売は始めないほうがいいと思います。飲食業界は競争が激しいので、開業する際には、それなりの 覚悟 は必要だと思います。体力的、精神的なタフさと、生き残るにはどんどん前へ出る図々しさも必要だと思います。運が良ければ開店間もなく繁盛してしまいますが、５年先、１０年先に変わらず繁盛しているかは誰にも分かりません。そこも、難しいところですね。

後向きの言葉ばかりになってしまったので、前向きな一句。

「 成功するまで続ければ、絶対に失敗はしない 」　※ ただし言葉で言うのは簡単

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＜　　計算例　　＞

ここでの計算では、
スープは豚ガラを大量に使わず、主に豚肉でダシを取るあっさり系の非乳化スープとして考えます。 

※　仕入れは外税となるケースも多いですが、ここでは消費税は無視して考えます
※　材料費だけの計算ですので、光熱費や人件費、廃棄ロスなどは含まれません。


 


このくらいの材料費で済めば、６５０円で販売しても粗利益は４００円～ 確保できます。

個人店の中には、材料原価率が４０％に達しようが、一定の粗利益が確保できていること、 そして、客入りが多いことで十分、経営は成り立っているお店も多いと思います。
原価率にこだわらず、ボリュームでサービス、それがまた客を呼ぶ・・っという好循環？

チェーン店や支店経営の場合は、細かく原価率を計算、設定する必要はありそうですけどね。 色々な人の儲け （給料） も、生まないといけませんし。 オーナーとか、計算係の人の給与とか・・


＜　上記の、 材料費の計算について　＞

※ トンコツの量は、少な目に計算しています。お店ごとに２～３倍は違うと思います。
　　ゲンコツの価格はキロ８０円～１５０円と、マチマチです。
　　（ 各部位の仕入値については、ページ下部を参照下さい ）
※ 背脂は、アブラマシも考慮して６０ｇで設定しました。

※ 製麺所からの仕入れ麺の値段は、毎年、小麦粉価格の変動によって1玉当たり
　　数円単位で値段が変わることがあります。
　　ここ数年の中でも小麦粉が安い時期でしたら、安い小麦粉を使用した麺なら、
　　７５円～／３００ｇ （税抜き）などで仕入れできるケースもあるようです。

※ 自家製麺の材料費は、
　　オーション２５ｋｇ入りを４０００円と仮定して計算。もっと安いかもしれません。
※ うで肉は１ｋｇ茹でた場合の歩留まりを700g前後として、450円/700ｇとして計算 

※ ウデ肉の仕入値は、キロ３８０円～５５０円台とバラツキがあります。
　　（ 仕入れ先の業者と、お店の仕入量によって異なります ）

※ カネシ醤油の値段については不明です。
　　濃口・うすくち醤油などで作る場合は、銘柄によっては材料費が多くかかります。

※ モヤシ は、配達してくれる八百屋さん、もやし屋さんですと、
　　４ｋｇ ５００円と言われるケースもあります。（ 首都圏の場合 ）
　　とある八百屋さんいわく、
　　大して儲からない商品なので、値引きしてまで配達するなら、
　　売らない （ わざわざ市場で買って来ない ） ほうがマシ・・・　なんだそうです。
　　成田食品のベストモヤシなどは、私が知る限りでは４ｋｇ ３８０円くらいでしょうか。
　　ハナマサでは、５００円くらいで売っているのは見たことがあります。

ただ、ネットでは、「 ４ｋｇモヤシが１５０円で売られている 」とか、「 ２００円で買って来た 」と いう記事も見かけます。
はたして、１５０円とか２００円で、仕入れできるのでしょうか・・・？

※ 通常、モヤシは２～３日の賞味期限がありますが、１５０～２００円で売られているという モヤシの賞味期限については不明です。スーパーだと残り１日になると半値ですけどね。
４Kg袋のモヤシは、古くなると底に水がたまって、底に近い部分のモヤシが臭くなることがあるので、新鮮なうちに使い切るか、モヤシは水に漬けておくと良いです。（ 底の水は雑菌だらけ ）

そういえば、 ●郎●●●店の元店員さんは、モヤシはキロ１００円みたいな言い方をしていました。 もうちょっと詳しく聞いておけば良かったです。
それほど親密な間柄ではないので、わざわざ電話して聞くのもアレですし・・・

一言でモヤシと言っても、太さが細かったり、皮が大量に付着している商品もあるので、
適度に太くて、皮がきちんと除去されているモノがベストですね。

※ モヤシの量は、マシ or 少な目のお客さんがいることを考慮して、５００ｇで計算。
※ キャベツは値段の変動が大きいため、時期によって材料費に与える影響が大きいです。
　　１玉１００円～４５０円　などと値段が動きます。
　　春キャベツ、冬キャベツ、夏秋キャベツとあり、特徴が異なります。
　　ネギは中国産が出回っていますが、キャベツもあったっけかな・・・？ 
※ にんにくは、中国産の皮付きニンニク（普通の丸ごと一個） ならもっと安くなります。
皮付きは、皮を剥く手間がかかるのと、モノによっては緑色に変色してしまうのが難点です。 あくまで私の経験上ですが、パウチに入って売られている中国産の皮むき済み生ニンニクは 刻んでも、なぜか色が変わりません。 時期や産地によっては、変色するかもしれませんが。
業務用の刻みニンニク（容器入り）は、生ニンニクと色・風味が違うものがあるので、食べる人によってはすぐに業務用だと分かってしまうと思います。翌日のおトイレ時も、独特なニオイがしますね。
ＰＨ調整剤（成分が複雑？） しか入っていないはずなのに。 

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＜　豚骨 背脂ラーメン、とんこつラーメン の材料原価　＞


ついでなので、
あっさりタイプの豚骨 背脂醤油ラーメンと、とんこつラーメンの原価計算 （例）
 
実際には、これよりたくさんの材料費をかけているお店も多いと思いますし、
逆に、チャーシュー ・ 具材などはもっと量が少ないお店もあります。
最低限のスープを作った場合、このくらいの材料費になるのではないかという推測です。


 

とんこつラーメンの場合、ガス代がすごくかかります。
毎日、現金収入があるとはいえ、開業時にはお金に余裕を持っておいたほうが良さそうです。


＜　上記の、 材料費の計算について　＞

※ チャーシューは、１ｋｇの豚肉をゆで、歩留まりが７００ｇと計算しています。
※ 麺の値段はピンキリですが、首都圏の大手製麺所の標準的な価格を参考にしています
※ 麺の値段は、仕入れ量や、小麦粉輸入価格などによって異なりますが、１０ｇあたり２．５～４円 程度です

※ 2011年の小麦粉価格高騰での影響は、1玉あたり3～4円前後の値上げだと思います
 
※ 廃棄ロスは考慮していません。　来客数の多いラーメン店では、それほど食材のロスは出ないと思います。　ただ、回転が悪いとネギ、野菜類はロスが出やすいです。
スープは翌日に使い回さず、廃棄する場合はロスが出やすくなります。
チャーシューは肩ロース肉などを使用した場合、パサパサ部分は使い道に困りますが、
バラ肉でしたら端っこ部分などは、チャーシュー丼の具材としても使用可能です。
チャーシュー単品として使用できない部分は、ほぐしたり小さくカットして、
トッピングとして別売りするケースもあります。
バラ肉は比較的大丈夫だと思いますが、赤身の多い肉は、モノによってニオイが出やすい
肉もあるようです。そういった豚肉ですと、臭くなって廃棄ロスが出やすくなると思います。
ラーメンの原価とは関係ありませんが、ごはんモノをやると、ご飯が余りやすいですね。
冷蔵して翌日、チンして使うケースはあると思いますが。

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だいたい、こんな計算で合ってますかね・・？

魚介ダシなどのラーメンは、
上記に魚介の材料費を加えればおおよその材料費が計算できます。
原価率は、販売価格を決めたら、材料費 ÷ 売値 x 100　で計算できます。

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ラーメン店の食材・仕入れ価格一覧　（ 参考値 ）


２０１３年以降、円安などの影響もあって、輸入食材費が値上がりしているようです

※ 首都圏エリアの卸し価格の一例です。（ 実際に確認済みですが、変動はあります ） 
※ 取引先の仕入れ業者、取引量の違いによって、価格は大きく異なると思います。
※ ガラや豚肉については、首都圏エリアではこれより高くなるケースもあります。
　　（ カット済みのガラ・肉は、通常少し高くなります ）
※ 消費税（外税）は考慮していません。

※ 別に記載がない限り、１Kg あたりの値段です。

※　飲食店の開業マニュアルはこちらです

とんこつ （ゲンコツ）	80円～/1kg
とんこつ （背ガラ。　肩 ・ ロース骨）	100円～
とんこつ （込みガラ。　アバラ骨等雑骨）	50円～
豚頭骨 （１個）	130円～
背脂 （A脂）	100円～
豚足（毛付き）	100円～
豚足（処理済み）	250円～
豚皮	200円～
豚耳	150円～
豚バラ肉（ブロック・外国産）	550円～850円
豚肩ロース（ブロック・外国産）	500円～850円
豚ウデ肉（ブロック）	380円～550円
豚モモ肉（ブロック）	400円～
豚バラ肉（糸巻き or ネット）	750円～950円
鶏ガラ　　　※ 下処理方法	130円～
丸鶏　（ ヒナ ）　１羽	500円～
丸鶏　（ 廃鶏 ）　１羽	250円～
丸鶏　（名古屋コーチン） １羽	1500円～
丸鶏　（比内地鶏） １羽	2800円～
鶏皮	260円～
鶏脂	100円～
モミジ （鶏足）	100円～
業務用 ガラパック （鶏・豚）	350円～
昆布 （日高、利尻、羅臼等の規格外品)  ※ 輸入コンブ等、安い昆布なら ～ ２千円以下	3.000円～
かつお節・サバ節等 （荒節）　※ サバ節1.200円～	1.500円～
カタクチイワシ 煮干し （選別なし）	800円～
ホタテ 干し貝柱	10.000円～
ホタテ 干し貝柱 （ブロークン・割れ・コワレ）	6.000円～
ハイミー　1Kg	1400円～
本みりん （大手メーカー） 1.8L	600円～
ヒゲタ　特選こいくち醤油 18L 缶	4300円～
ヒガシマル うすくち醤油 18L 缶	3500円～
ベストモヤシ　4Kg ※ ベストモヤシではないと思いますが、ネット上では ４ｋｇ １５０～２００円のモヤシが 「 売られている 」 または「 買った 」 という記事があります。 （ 賞味期限が２～３日残っているモノなのかは、分かりません。）	380～500円
味付けメンマ　1kg	500円～
うずら卵 水煮缶 （約50個・中国産）	300円～
カット済み・小口輪切り白ネギ 1kg  （中国産）	440円～
皮むき済み・生ニンニク（粒） 1kg （真空パック・中国産）	300円～
業務用ニンニク みじん切り等 　（PH調整剤入り ・ プラケース容器入り）	550円～
業務用味付けチャーシュー（バラ） 1Kg	700円～
生麺　１０ｇあたり	2.5～4円
缶ビール　350ml	165円～
生ビール　350ml  （中ジョッキ相当。今の居酒屋さんはもっとサイズが小さい）	190円～
割り箸　１本	1円

※　飲食店の開業マニュアルはこちらです

※　ラーメン店の１日の流れ　～　仕込みから営業、閉店作業まで





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