ラーメン・食品の通信販売、製造業の許可はいるの？　

このブログは、ラーメンに関するブログですので、
食品といってもラーメンが主役の記事になっています。

ただ、ラーメン屋さん以外でも、インターネット通販を行う上での注意点は一緒だと思いますので、下記に書いてある「 保健所の見解 」などは、参考になると思います。

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＜　ラーメン店のインターネット通販が、大流行　＞

最近、流行っている、ラーメン店の冷凍ラーメン ・ インターネット通販。 

従来は、行列ラーメン店のお取り寄せラーメンといえば
工場で作られた濃縮スープが添付されている物がほどんどでしたが、
インターネットの普及によって、
お店の寸胴で煮込んだスープをそのまま冷凍して配送するサービスが流行っています。

工場で作られたスープと違い、スープはお店の味、そのまま。 （ ストレートスープ ）

冷凍することによって多少、味は変わってしまうと思いますが、
工場で作られた濃縮スープに比べたら、限りなくお店の味に近いのが人気の理由です。

また、法律の関係で「 原材料表記 」 がされているので、
自宅で自作ラーメンを作る方にとってもどんな材料を使用しているのか参考になりますし、
スープが温かい状態、冷めた状態と、家庭でじっくりと味を比較して勉強することもできます。

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＜　インターネット通販を行うのに、許可っているの・・？　＞

インターネットで通信販売を行うこと自体は、
特定商取引法や食品衛生法、JAS法などの各種法律さえ守っていれば、
特にインターネット販売専門の許可や、申請、届け出といったものは存在しません。

医薬品の販売に関しては、ネット販売を規制するとかやっていましたが、
これは特別な例です。　結局、どうなったんでしたっけ？

事業として行うことになるので、新規開業の場合は、税務署への開業届けなどは必要です。

「 インターネットで商品を販売する行為 」 それ自体の許可は不要・・と書きましたが、
店舗を構えて商売を行う時のように、特定の商品を販売する場合には、許可が必要です。

例えば、インターネットで販売する、しないに関わらず、
中古品を扱うのであれば古物商、お酒を売るのであれば酒類小売業、
食品でも、「 魚・肉・乳 」を販売するのであれば、それぞれの許可が必要になります。
そして同じ「 肉 」でも、ただ売るのと、加工して販売するのでは、許可が異なります。
→　飲食店がネット通販で、冷凍生肉などを売っているケースがまれにありますが、
食肉販売の許可を取っていないと、無許可営業になってしまうと思います。

※　多摩府中保健所による　通信販売するときの注意点


それでは、飲食店営業の許可を受けて、飲食店を経営している方が、
お店で作った食べ物をインターネットで通信販売する場合は、
どんな許可が必要になるのでしょうか？

これがまた、ややこしいんです。

お店で作った食べ物をお店で飲食させたり、テイクアウトさせたり、近所に出前をすることは、
飲食店営業の許可の範囲で、行うことができます。
（ どこかに持って行って販売する場合は、行商などの許可が必要になります ）

しかし、インターネットなどを利用して、日本全国に向けて通信販売するとなると、
それは飲食店営業ではなく、「 製造業 」に該当してしまうことがあるので注意が必要です。

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＜　飲食店が、お店で作った食べ物をインターネット販売する場合　＞

ラーメン店や中華料理店、その他の飲食店を経営されている方、
また 独立開業（開業マニュアルはこちら） を視野に入れている方は、
自分のお店で作った食品を、インターネットの通信販売で売るには、何か許可がいるのか？
っと、お考えになることもあると思います。

それで、ちょっと保健所に問い合わせてみましたので、その内容を公開します。

※　ご注意！　　地域によって、保健所の見解は違うかもしれません。
また、お役所は時間が経つと、急に見解や指導内容が変わることがあります。
（ どこかで問題が生じたので、指導方法が変わるケースは食品行政に限らず多々あります ）
→　食品衛生関連ですと、最近のユッケやレバ刺しの問題が分かりやすいですが。

従って、通信販売を行う方は、事前に管轄の保健所に行って、よく相談して下さい。
※　保健所では事前に電話をし、相談日時を予約することが推奨されています。

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東京都C区　C保健所からの回答内容　（ ２０１２年時点 ）


＜　質問内容　＞

飲食店営業の許可を取得している店舗において、インターネットで注文を受け、
ラーメンの麺、 スープ、具材 （ 全て自家製 ）を冷凍してセットにし、
配送業者を利用して配送、販売することは可能ですか？

＜　回答内容　＞

食品衛生法では、営業内容に応じて業種別に許可を取得する必要があります。
「飲食店営業」は食品を調理する又は飲食させる営業です。
従って、ご質問内容の、「飲食店営業」施設が広域に受注して配送業者が配送する場合は、一般的に単なる配達行為ではなく、製造（業）に該当するとC区（C保健所）では判断しています。
ご質問の内容では、食材ごとに次の許可が必要です。

※　島根県 益田保健所 による、営業許可が必要な業種の定義・施設基準の説明

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・　生麺（自身で製造する場合）　・・・　「 めん類製造業 」
※　生麺を仕入れた場合も、飲食店での包装形態等により、
めん類製造業が必要になる場合があります。

・　具材やスープ　・・・　「 そうざい製造業 」

・　チャーシュー　・・・　「 食肉製品製造業 」
※　製造方法等によりそうざい製造業になる場合もありますが、
一般的には食肉製品製造業が必要です。

・　食品を冷凍して発送した場合　・・・　「 食品の冷凍又は冷蔵業 」
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これらの許可を飲食店営業施設に追加で取得する場合、業種ごとに施設の特定基準が定められていることから、専用の場所を設ける等、新たに何らかの施設を設ける必要があります。

また、容器包装に入れられた食品を製造することになりますので、食品衛生法、ＪＡＳ法等に基づき、表示が必要になります。　表示は、各法律に違反しないよう、十分内容を精査する必要があります。　その際に表示する賞味期限の設定につきましても、製造業者の責任において科学的、合理的根拠をもって行ってください。

以上、一般的なC保健所としての考え方をお示ししましたが、
実際、事業の内容によりどの業種の許可が必要かということは、食品の製造方法、形態や配送方法等を総合的に判断して決定します。

具体的なご相談は、製造、発送する飲食店の所在地を管轄する保健所が窓口となります。

地区の担当と日程調整の上、許可書（施設図面添付のもの）をお持ちになって保健所までご相談ください。

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ということで、東京の官庁街を管轄するC保健所の回答では・・・

ラーメン店などが、お店で作ったラーメン・具材等の通信販売を行う場合は、
食材ごとに製造業の許可が必要になる － かもしれないという、やや厳しい回答内容でした。
 
これはラーメン店に限らず、パスタ屋さんでも、カレー屋さんでも同じことだと思います。
ある日本そば屋さんのHPにも、「 めん類製造業 」を取得して販売していると書いてありました。 

「 飲食店営業許可 」だけでなく、「 製造業の営業許可 」
も取らなければならないとなると、ちょっと大変です。
飲食店の営業許可を取ったスペース以外に、「製造業」のスペース・設備も必要になりますから、
小さな坪数のお店では、至難の業かもしれません。

これから開業予定の方で、インターネット通販も視野に入れている方は、 厨房や店内に余裕を持った設計をされると良いかもしれませんね。 　お店が広ければ、どうにかなりそうですし。
保健所の回答の通り、製造業に該当する場合は、飲食店として許可を受けている設備ではネット通販用の食品を製造できないケースもあるかもしれません。
＞＞　　考えられる例
通販用スープは、飲食店用の寸胴から取ってはダメとか、冷凍庫や作業台は別に必要とか・・。

→　ところで、飲食店に 「 製造業 」 の設備を追加して、新たに許可を取るのではなく、
考え方を逆にしてみたら、どうなるのでしょう？

スープ ・ 具材などの仕込み場は、飲食店の設備として許可を取るのではなく、
「 そうざい製造業 」 の調理場として許可を取ったら、どうなるのでしょうか？

飲食店では、製造業者が作った商品を仕入れて調理したり、そのままの形でも使用します。
（ 業務用メンマとか、お店によっては業務用チャーシュー、スープなど ）
ということは、
「 自社で製造した製品を、併設の飲食店で仕入れて提供する 」 という理屈が通れば、
ネット通販用の仕込み場は、新たに設けずに済むのかもしれません。
最初から 「 そうざい製造業 」 としてスープや具材を作っておけば、
ネット通販でも、飲食店営業でも、どちらでも使用することができそうですよね？
今現在、営業中のお店でも、区画を変更して、営業許可を再取得すれば良さそうな気もします。
ラーメン店の場合は、スープを作る場所と、営業用に保温しておく場所がどのみち必要となってしまいそうですが。
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製麺所から仕入れた麺の場合は、そのままの状態であれば、製麺所が許可を受けているので販売することは可能かと思いますが、お店で新たに梱包し直したり、冷凍する場合は、別途許可を取得する必要が出てくるのかもしれませんね。 

自家製チャーシューの場合は、チャーシューをスープに入れた場合は、具入りスープ扱いとなり、「 そうざい製造業 」のみの許可で済む場合もあるかもしれません。　スープに占める食肉の割合によって、「 そうざい 」となるのか、「 食肉製品 」に該当するのか違ってくるという記事も見かけましたが、保健所の判断は地域ごとに異なるので、聞いてみないと分からないです。 

ということで、まずは保健所に相談して、
なるべく許可申請が少なくて済む製造方法、梱包方法を考えるのがベストだと思います。

もしかしたら、いま現在ネット販売をしている飲食店の中には、このような営業許可を取らずに（知らずに）行っているお店もあるかもしれません。
ただ、無許可営業に該当するとなると、
罰則・行政処分？で、 罰金や営業停止処分等・・　もある？（ のかどうか、私は知りませんが ）
かもしれませんし、事前に十分な確認を行ったほうが良さそうです。
 
店舗の関係で、「 製造業 」の許可を取得するのが大変なお店もあるかもしれませんが、
参入障壁があるビジネスのほうが、ライバルは少なくて済む、という考え方もできます。
どの飲食店も簡単にネット通販をはじめたら、実店舗と同じように競争が激化してしまいます。

下記のような通販サイトでは、様々な対策ノウハウを持っているでしょうから、
真剣に通信販売をご検討されている方は、各サイトの事業者にも相談されると良いと思います。



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前に、冷凍ラーメンを扱ったYoutube動画があり、「 マイナス40℃の世界～ 」　っといった内容でしたので、おそらく品質を落とさずに急速に冷凍するには、マイナス４０～６０℃くらいの 超低温 冷凍ストッカー や、急速冷凍庫が必要になるのかもしれません。

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